この記事のゴール:Windows 11 で Clash Verge Rev を「使える状態」まで 5 分
Windows 11 でプロキシクライアントを探すと、かつて定番だった Clash for Windows(CFW) の名前がまだ検索結果に残っています。しかし CFW は開発が停止しており、新しい Windows 更新との相性やセキュリティ面のリスクを抱えやすい状態です。2026 年時点で Windows ユーザーが選ぶ本命候補のひとつが、Mihomo コアを内蔵する Clash Verge Rev です。
本稿では、ダウンロード → インストール → 購読 URL の取り込み → ノード選択 → システムプロキシ ON → 動作確認までを一続きの作業として並べ、初回設定を約 5 分で終えられる順序に整理します。YAML を一から書く必要はなく、契約プロバイダから発行された HTTPS 購読リンクがあれば、そのままひな形を丸ごと取得できます。
Clash Verge Rev とは:CFW 後継として Windows に選ばれる理由
Clash Verge Rev(通称 Verge Rev)は、Tauri ベースのモダン UI を持つ Clash 系デスクトップクライアントです。内部では Mihomo(旧 Clash Meta)コアを動かし、Rule/Global/Direct のモード切替、購読による自動更新、遅延テスト、TUN モードなど、Windows で求められる機能をひとつの画面群にまとめています。
CFW と比べて Verge Rev が選ばれる典型理由は次のとおりです。
- 継続的な更新:Mihomo の新機能や Windows 11 の変更への追随が続いている。
- ダッシュボード型 UI:プロファイル、接続、ログ、ルールをタブで整理でき、初見でも迷いにくい。
- 購読運用が前提:ノード一覧や分流ルールをプロバイダ側で更新でき、手動編集の負担が小さい。
- TUN への拡張が容易:システムプロキシだけでは届かないアプリ向けに、後から一段進められる。
macOS 向けには ClashX の最短セットアップ記事も用意していますが、Windows 11 ユーザーは本稿の手順に沿えば、同じ「購読で入れてトグルでオン」という骨格で揃えられます。
事前準備:Windows 11 と購読 URL を確認する
作業を始める前に、次の 3 点だけ確認しておくと後工程がスムーズです。
- OS バージョン:Windows 11(Home/Pro いずれも可)。64 ビット(
x64)環境が前提です。 - 購読 URL または config.yaml:契約プロバイダから発行された HTTPS リンク、または手元の
config.yaml。鍵やトークンを含むため、公開チャットへの貼り付けは避けてください。 - 管理者権限:インストール時の UAC ダイアログ、システムプロキシや TUN 有効化時に求められることがあります。会社支給 PC では IT ポリシーによる制限も確認してください。
Verge Rev の UI は Microsoft Edge WebView2 ランタイムに依存します。Windows 11 には多くの場合プリインストールされていますが、古い環境や最小構成では別途必要になることがあります。インストーラが WebView2 のセットアップを促した場合は、そのまま完了させてから再起動するのが確実です。
手順 1:Windows 11 向けインストーラをダウンロードする
配布ページを開き、Windows x64 向けの .exe または .msi を保存します。ファイル名に setup や x64 が含まれる行を選び、arm64 など別アーキテクチャ向けと取り違えないでください。Surface Pro X など ARM 端末をお使いの場合のみ ARM ビルドが必要ですが、一般的な Windows 11 PC は x64 です。
- SmartScreen の警告:オープンソース系ツールでは「発行元が確認できません」と出ることがあります。入手元を信頼できると判断したうえで「詳細情報」→「実行」を選びます。
- ウイルス対策ソフト:初回起動時にプロキシ関連の動作をブロックする場合があります。除外設定が必要なら、公式ビルドであることを確認したうえで対応してください。
- 古い CFW の共存:CFW が残っているとポート競合やプロキシ設定の上書きが起きることがあります。移行時は CFW を終了し、Windows の「設定 → ネットワークとインターネット → プロキシ」で手動設定が残っていないかも見ておくと安全です。
手順 2:インストールを実行する(UAC と WebView2)
ダウンロードしたインストーラをダブルクリックし、ウィザードの指示に従います。UAC(ユーザーアカウント制御)ダイアログが表示されたら「はい」を選び、インストール先(通常は Program Files 配下)を確認して進めます。
- 利用規約に同意し、インストール先フォルダを確認する。
- WebView2 ランタイムの追加セットアップを求められたら完了させる。
- 完了後、スタートメニューまたはデスクトップショートカットから Clash Verge Rev を起動する。
インストール後、Windows 11 の「設定 → アプリ → インストールされているアプリ」に Clash Verge(表記はビルドにより若干異なる場合あり)が表示されていれば成功です。
手順 3:購読 URL を取り込んでプロファイルを有効化する
起動した Verge Rev の左サイドバーから プロファイル(Profiles) 画面を開きます。画面上部または「+」ボタンから 購読 URL の追加を選び、プロバイダからコピーした HTTPS リンクを貼り付けます。
- 購読 URL を入力し、任意でプロファイル名を付ける(例:
MyProvider-2026)。 - 更新/取得ボタンを押し、ノード一覧とポリシーグループが読み込まれるのを待つ。
- 読み込んだプロファイルをアクティブ(選択中)にする。
ローカルの config.yaml を使う場合は、インポートまたはローカルファイルを開く相当の項目からファイルを指定します。複数プロファイルを試していると、古い無効プロファイルが選択されたまま「ノードが空」に見えることがあるので、名前を分かりやすくリネームしておくと後が楽です。
更新間隔は極端に短く設定しない方が無難です。半日〜一日程度が扱いやすく、プロバイダ側のレート制限を避けやすいです(サービス推奨値があればそれに従ってください)。
手順 4:モード・ノードを選び、システムプロキシをオンにする
メイン画面または設定タブで、次の順に操作します。
- モードを Rule に設定:国内向けサイトは Direct、それ以外は Proxy へ流す、という一般的な分流が有効になります。テスト時だけ Global に一時切替する使い方もできます。
- 出口ノードを選択:
Proxyや节点选择などのグループから、遅延テストで応答の良いノード、または自動選択を指定します。 - システムプロキシをオン:「System Proxy/システムプロキシ」トグルを有効化します。Windows の「設定 → ネットワークとインターネット → プロキシ」で「セットアップスクリプトを使う」または「プロキシサーバーを使う」がオンになるのが正常です。
UDP やプロキシ非対応アプリまで含めて広く代理したい場合は、慣れてから TUN モードを検討してください。TUN は仮想アダプタの設置と管理者権限を伴いますが、詳細は TUN モードの専門記事で深掘りできます。初回はシステムプロキシだけで十分なことがほとんどです。
動作確認:5 分セットアップの仕上げチェックリスト
設定が終わったら、次の簡易確認で「使える状態」か判断します。
- ブラウザのプライベートウィンドウで IP 確認サイトを開き、出口地域が想定どおり変わったか見る(ping より HTTPS 表示の方が初学者には分かりやすい)。
- Verge Rev 内の遅延テストで、選択ノードがタイムアウトばかりになっていないか確認する。
- 社内限定 URL や銀行サイトが意図せずプロキシ経由になっていないか、Rule 分流が効いているかを見る。
- 別ブラウザや拡張機能の独自プロキシ設定が Verge Rev と競合していないか切り分ける。
ここまで問題なければ、初回セットアップは完了です。以降はプロバイダ側でノードやルールが更新されれば、購読の自動取得で追随できます。
つまずいたときの直し順(Windows 11 向け)
- 購読の手動更新:URL 期限切れやメンテ直後の不整合をまず潰す。
- モードが Direct になっていないか確認し、Rule に戻す。
- 別ノードへ切替で単一サーバ障害を排除する。
- Verge Rev を終了→再起動し、システムプロキシのトグルを一度オフ→オンする。
- Windows のプロキシ設定(設定アプリ)で古い PAC や手動アドレスが残っていないか見る。
- WebView2 を再インストールし、UI が真っ白・フリーズする症状を解消する。
会社 PC ではグループポリシーでプロキシが固定されていると、クライアント側の上書きに失敗することがあります。個人 PC でも、セキュリティソフトが Mihomo コアの通信をブロックしているケースは珍しくありません。ここまで試しても改善しないときは、端末より先に契約面の状態(同時接続数、支払い停止、プロバイダインシデント)を疑うのが早いです。
他の Windows クライアントとのざっくり比較
Windows 向けには、名前の似た別プロジェクトや CFW 系フォークも検索結果に現れます。選び方の目安は次のとおりです。
- Clash for Windows:UI は馴染みやすいが更新停止。新 OS への追随リスクが大きい。
- Clash Verge Rev:モダン UI と Mihomo 追随。Windows 11 の日常利用向けバランスが良い。
- コマンドライン Mihomo のみ:最小構成だが、初学者には設定ファイル管理の負担が大きい。
「とにかく早くブラウザから抜けたい」なら Verge Rev のシステムプロキシだけで十分なことが多く、「ゲームや UDP アプリまで含めたい」段階で TUN へ進む、という段階的な使い方が現実的です。
よくある質問(短文)
Q. スタートアップに登録すべきですか。A. 常時プロキシを使う運用なら有効化オプションがあるビルドではオンにすると便利です。必要なときだけ使うならオフのままで問題ありません。
Q. 複数の購読を切り替えたいです。A. プロファイルごとに保存し、アクティブプロファイルを切り替えるだけです。同時に複数を「混ぜる」必要は通常ありません。
Q. ログにエラーが大量に出ます。A. まず選択ノードと DNS 設定を確認し、特定ドメインだけ失敗するならルール分流の問題かもしれません。全文を公開せず、エラー行の一部だけで十分なことが多いです。
まとめ:CFW 時代から Verge Rev へ移る意味
Windows で Clash 系ツールを探すと、見た目が似た古いインストーラや、更新の止まった CFW 派生ビルドへ誘導されることがあります。OS が Windows 11 に上がるたびに、動かなくなったり設定が残って競合したりするリスクは、停止したクライアントほど大きくなります。一方、購読更新とルール分流を前提に設計された Clash 系——Verge Rev がその代表例——は、サイトごとにポートと例外を手作業で積み上げる痛苦から解放されやすく、Mihomo コアの追随も続いています。
macOS ユーザーが ClashX で済ませるのと同様、Windows 11 では Verge Rev に購読を載せ、Rule のままシステムプロキシをオンにするだけで、多くの日常シーンはカバーできます。もし「どのビルドが本命か分からない」「CFW からの移行で設定が残っている」といった段階なら、配布の追従状況と実ユーザーの声を比較できる入口から選ぶのが、結果的に最短です。