Clash と Mihomo(Clash Meta)とは何か
Clash は、ルールに基づいて通信をルーティングするオープンソースのプロキシアプリであり、軽さと拡張性のバランスが良いツールです。YAML の設定とルールセットを組み合わせることで、「どの接続をローカルのまま/どこを経由させる/拒否する」といった細かな制御が可能になります。
2023 年頃よりオリジナルのコア開発ペースが鈍化した一方で、コミュニティ主導で保守・進化させてきたのがMihomo(俗称の Clash Meta)です。従来の Clash と設定の親和性を保ちながら、VLESSや Hysteria2、TUIC など現行の転送プロトコルに広く対応し、DNS 処理やルールエンジンも強化されています。そのため現在は多くの Clash 系クライアントが Mihomo を同梱し、ユーザーは意識しないまま新しい機能をそのまま使えるケースが主流です。
ステップ1:クライアントを選んで入手する
まず自分の環境に合うクライアントを決めます。使い勝手だけでなく、カーネルが新しいほど将来的にプロバイダのノードタイプとも噛み合いやすいです。
| プラットフォーム | 推奨 | カーネル | メモ |
|---|---|---|---|
| Windows | Clash Verge Rev | Mihomo | 機能と UI の両立・更新サイクルの速さが魅力 |
| macOS | Clash Verge Rev | Mihomo | Apple Silicon 向けバイナリの用意が進んでいます |
| Android | FlClash | Mihomo | Material You 準拠の UI と省電力寄りの挙動 |
| iOS | Shadowrocket / Stash など | アプリにより異なる | 多くが App Store で有償。UI と購読管理の好みで選択 |
| Linux | Clash Verge Rev / Mihomo CLI | Mihomo | GUI とヘッドレスのどちらでも運用できる |
各クライアントのパッケージは、当サイトのクライアント一覧・ダウンロードページから辿れるようにしてあります。GitHub Releases のページさえ経由しない場合もあるので、まず一覧で自分の環境を探すと早いです。
ステップ2:インストールと最初の起動
Windows(Clash Verge Rev を例に)
- 配布されている
.exeを実行し、画面の指示にしたがってインストールします。 - 初回に Windows Defender がファイアウォールの許可ダイアログを出したら、通常どおり許可すると通信テストや更新が楽になります。
- SmartScreen が「実行を停止しました」と出した場合は「詳細情報」から「実行」を試します。開発者証明書の評価がまだ溜まっていないアプリでありがちです。
- 完了後はスタートメニューやデスクトップのアイコンから起動してください。
macOS
.dmgを開き、アプリケーションフォルダへドラッグ&ドロップで配置します。- 初めて実行するとき Gatekeeper が止めることがあるので、Finder で右クリック →「開く」とし、同じ確認を繰り返して起動許可します。
- Apple Silicon(M 系)は
aarch64/ARM64 に相当するビルド、Intel Mac はamd64/x64 が一般的です。
Android(FlClash)
- 端末のアーキテクチャが不明なときは近年のモデルほど
arm64-v8aが無難です。 - 「提供元不明のアプリ」インストールを設定で許可し、APK を開いて導入完了まで進めます。
- VPN 機能を使うクライアントなので初回にはシステムの VPN 許可確認が現れ、「許可」を押しておきます。
ステップ3:プロバイダの購読(サブスク)リンクを取り込む
Clash はそもそも「空の車体」であり、自分で用意したノードか、プロバイダが用意したプロファイル情報が無いと先に進みません。
Clash Verge Rev(Windows / macOS)
- サイドバーから「購読」もしくは Profilesの画面を開きます。
- +(追加)から「リモート(Remote/URL)」を選び、プロバイダが発行した URL を貼り込みます。
- ダウンロードが済むとリストに並ぶので、そのエントリー左のラジオ/チェック類で現在の構成として有効化します。
- 期限付きリンクであれば自動更新間隔を 24 時間程度にしておくと、手での貼り直し頻度を下げられます。
FlClash(Android)
- ホーム画面右上の+を押し、「URL から追加」(表記ゆれあり)へ進みます。
- リンクを入力してインポートし、リストに載った構成を選択するだけで準備おしまいです。
- 接続状態はホームまたはクイックパネルのトグルから切り替えます。
ステップ4:モード選択とシステムプロキシ
プロファイル適用後、しばらくは次の三段階だけ覚えておけば十分です。
- ルールモード(Rule):プロファイル側のリストにしたがって、国内系は直達・海外サービスほど経由となる典型パターン。普段メインにおすすめです。
- グローバル(Global):あえてすべての通信をひとつの出口に押し込みたいテストや特殊用途向けです。
- ダイレクト(Direct):事実上のオフであり、すべてローカルのルートだけを使います。
Clash Verge Rev では画面上の「System Proxy」(名称は版により英語/日本語)をオンにすると、プロキシを尊重するアプリへ HTTP/HTTPS が流れるようになります。
ステップ5:TUN でトラフィックを広く預ける
TUN(仮想ネットワーク)モードでは、TCP/UDP が OS のスタックにもう一枚「上に被さるような」経路を通って届くため、アプリ側がプロキシ設定を読まなくても通す余地が増えます。UDP を伴う音声・ゲーム・アプリにも効きやすくなる一方、競合ソフトとの干渉や権限にも注意しましょう。
Clash Verge Rev(Windows/macOS)
- 設定ページを開き、TUNのトグルをオンにします。
- Windows では UAC による管理者昇格ダイアログが出れば承認してください。
- カーネルや OS の組み合わせによって別途ドライバの承認がある場合があります。画面ガイダンスに従います。
FlClash(Android)
多くは VPN 許可済みになっているため、画面上の開始トグルだけで Mihomo が想定している TUN フローを立ち上げられます。細かくは OS の「VPN」を開いて接続状態を確認できます。
ステップ6:ルールファイルの読みどころ
ユーザーがゼロから書かなくとも、標準プロファイルには複数レイヤーのルールが梱包されています。把握しておけると調子が悪いときの切り分けが速くなります。
DOMAIN と DOMAIN-SUFFIX
特定ドメインとその配下にあるサブドメインをひとくくりで扱います。
rules:
- DOMAIN,google.com,Proxy
- DOMAIN-SUFFIX,youtube.com,Proxy
- DOMAIN-SUFFIX,baidu.com,DIRECT
google.com と youtube.com 配下をプロキシ経由に寄せつつ、*.baidu.com 系だけ直達させるようなイメージです。
GEOIP
宛先アドレスの国コードを参照して転送経路を切ります。
rules:
- GEOIP,JP,DIRECT
- MATCH,Proxy
MATCH は文末の総取りであり、ひとつの出口にすべて落とします。サービス側のリストが中国向け GEOIP でまとめる設計でも、日本向けリストならコードは JP などに置き換わります。
IP-CIDR
プライベート帯などを明示的に直達させるときに役立ちます。
rules:
- IP-CIDR,192.168.0.0/16,DIRECT
FAQ:よくあるつまずき
プロファイル適用後にノード一覧が空
URL の期限、アカウント状態、または端末側からリスト取得 URL へのアクセス経路などを順に確認します。ブラウザで同リンクを叩いて応答があるかだけでも切り分けが進みます。
ブラウザが開けない/逆にだけ内製サイトが繋がらない
適用済み構成か、そのノードへの疎通、そしてブラウザ拡張の独自プロキシ設定が競合していないかを順に確認します。
TUN だけが有効にならない
他社 VPN との二重起動/管理者権限不足/競合 TAP 類を疑い、アンインストールできないサービス級アプリとはルールで棲み分ける必要もあります。
遅さや揺らぎ
クライアント内ツールでの簡易測定を繰り返し、複数サーバでの比較をしてから運用側に相談するのが近道です。
自動起動直後だけ設定が効いていない
TUN とシステムプロキシの依存関係上、昇格済みプロセスで立ち上げるオプションを探してみます。
クライアント選びまで含めて全体最適につなぐ
ここまでの手順を踏んだうえでも、体感の良し悪しは結局ハードウェアだけでなくクライアントとカーネルの選定に左右されます。更新が長く止まっているフォークほどプロトコル追加に置いていかれ、画面が煩雑なものは単純ミスでのトラブルも増えがちです。さらに公式でもないビルドに飛びつく場合は、ソースの透明性より短期の機能追加が優先されており、アップデート追従だけで時間を溶かしてしまう恐れがあります。
運用側が求めるのは、Mihomo の恩恵である多彩な転送方式和 DNS 機能を、そのまま落とし込める UI と自動更新であり、問題が出たときにコミュニティが素早く追跡できることです。それを満たすペアであれば、ルールだけで頭をいっぱいにせず、本来のオンライン作業により集中できます。
当サイトのダウンロード導線はそうした基準からクライアントを整理しており、アーキテクチャ別のリンクも並べています。Mihomo ベースで安定させたいユーザーにとって、まず一覧で自分のプラットフォームを選んでみるだけでも迷いが小さくなります。そのうえで、以下から入手ページへ進んで構成を済ませてください。